任せる技術
著者: 小倉広
出版: 日本経済新聞出版社
身につく: マネジメント
悩みの解決: 部下の育成
こんな人に:マネージャー プレイングマネージャー
人はまかされて伸びる!!部下に仕事を任せよう!!
部下に仕事を任せる事ができない・・・と悩んでいる人はぜひ読んでほしい本です。
仕事を任せられるノウハウを学びましょう。
人に仕事を任せる事で、自分は手が空きます。後輩は成長ができるようになります。どちらにもプラスになるのです。
これからリーダーになる人にはぜひ読んでほしい本です。
無理を承知で任せる
まだまだ任せられない・・・と言っていると、いつまでたっても部下が育ちません。
まずは「始める」事が大切です。
人は、任せるからできるようになります。できるようになってから任せるではダメです。
任せた以上、口出しはしない。相手を信じる。 |
ついつい答えを言ってしまいがちですが、ダメです。すぐに答えを言ってしまうと、部下は育ちません。
部下が自分で解決する能力をつける事が大切です。自分で考えて、こたえを出すことが大切なのです。
上司は部下に対して
「どうしたらいいと思う?」
「君はどう思う?」 などと質問をするようにしましょう。質問で相手に答えを出させて、相手を導くのが正しい指導の仕方です。
リーダーとは、人を動かして結果を出す人のこと
上司が部下に、任せる事ができないという事は、能力不足の証拠です。
「忙しい」、「忙しい」と言っているリーダーは、自分が無能だと言っているようなモノです。
そもそも、部下の仕事は「今日」の食いぶちを稼ぐ事です。
上司の仕事は「今日とは違う明日」を作る事です。上司は、業務を標準化して、全体の生産性を上げることが仕事です。
リーダーは部下よりも給料が高いので、自分が動いては行けません。
上司が成長しない限り、部下は成長しません。 |
目先の仕事に追われているひとが、未来を作る余裕なんてありません。人に仕事を任せる事で、上司は時間を作るようにしましょう。
無理をするから成長する(自分)
軽いダンベルを何度持ち上げても筋力はつきません。無理をして重いダンベルを持ち上げるからこそ、筋力がつくのです。
やりがいとは、楽なことをやっていても手に入りません。
有難いという字は、難しいことが有ると書きます。有難いの反対は、「無難」です。
無難とは、難が無いと書きます。
では、無難な人生が本当に楽しいでしょうか? 人生を楽しくするには、難があるからよいのです。
やりがいとは、「楽なこと」 をやっていても手に入りません。 |
イチロー選手は国内でやっていく方が楽でした。しかし、自分の限界に挑戦するために、メジャーに移籍しました。
人間は自分の限界を超えることで、感動が得られます。
ひとに無理矢理やらせる事はできない
営業の世界では、「ノーニーズ、ノープレゼンテーション」などと言います。
顧客に無理に売り込む事はできません。サービスや商品を必要だと思っていない人には、何も売れません。
ひとを動かすには、自ら 「動きたくさせる」 必要がある。 |
無理に成長させようとしても、部下はやろうとしません。そもそも、人間は人から何かを言われて仕事をしようとすると
モチベーションが一気に下がります。
モチベーションを上げ、自発的に仕事をしてもらうには、部下がどうしたらやりたくなるか?を考える事です。
これは、子育てにも役立ちます。
子供に勉強しなさい・・・とどんなに口を酸っぱく言ってもやりません。子供に勉強をやらせるには、大人が楽しんで勉強している姿を見せる事が大切です。
子供は親が楽しんでいる姿を見ると、それを真似します。子供は親の行動をまねるのです。
積極的に失敗をさせるには?
成長には失敗が必ず必要です。失敗しないと人は成長しないからです。成功からは何も学べません。
赤ちゃんは失敗することに恐怖感を持っていません。
全ての人は、失敗しても、立つことをあきらめなかったからこそ、いま歩くことができます。さらに親も、子供が立ち上がって歩こうとしたときに、励ましたはずです。
失敗しても、絶対に責めてはいけない。 |
転ばぬ先の杖で、部下を守りすぎては行けません。部下に答えを与えてはいけません。
部下を成長させるには、成長するチャンス(失敗する権利)を与える必要があります。そして、自分で考えさせる必要があります。
上司は、部下のする失敗の責任は取ってあげましょう。
責任を部下になすりつけるようでは、部下は積極的に仕事をしません。
任せる技術の書評
仕事を任せないと、いつまでたっても忙しいままです。
早い人では20代の前半から、遅い人では30代後半ぐらいから部下ができると思います。
人に仕事を任せるのはとても大切です。
しかし、給料が低すぎて仕事に不満を持っている場合や、職場で大切にされてない場合などは、どんなにやれと言っても、部下は行動に移しません。あくまで、業務評価、給料査定、社内のコミュニケーションがきちんとできている場合に限り、この本のノウハウなどが生きてくると思います。
書評:牧宏典
この本を読んでいる人は、下記の本も読んでいます。お勧めの本を紹介いたします。
のサポートをいたします